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高画素カメラの解像度比較 < 第2弾>

 「高画素カメラの解像度比較」シリーズの第2弾として、2017年4月以降に発売された2000万画素以上のレンズ交換式デジタルカメラ全18機種のうち11機種の解像度をチェックしてみました。ちなみに、18機種のうち10機種はミラーレス、8機種は一眼レフ、チェックした11機種のうち8機種はミラーレス、3機種は一眼レフ。今回の解像度チェックに使ったチャートもシリーズ第1弾と同様、細かな描写力があるかどうかが分るApplied Image Inc製のモノクロ解像度チャートとRGBの正確な識別能力があるかどうかが分る、つまり、形状を正確に認識できる能力があるかどうかが分るカラー解像度チャート(電塾の阿部充夫さんが1999年に開発)の2種類です。この2種類の解像度チャートがどんなものかが分る写真や説明は前回の「高画素カメラの解像度比較」を参考になさって下さい。

 2017年4月以降に発売された2000万画素以上のレンズ交換式デジタルカメラ全18機種をメーカー別に見ると、キヤノンが一番多くて8機種、次いで富士フイルム3機種、ニコン2機種、ソニー2機種、パナソニック2機種、リコー1機種で、1強5弱と言った感じです。ちなみに、オリンパスは2017年9月にE-M10 MarkⅢ(1605万画素)、2018年3月にE-PL9(1605万画素)を出していますが、いずれも2000万画素以下の機種なので、チェックの対象から外れます。また、シグマは2016年12月にsd Quattro Hを出しましたが、以後、1年以上経っても、まだ新しいカメラを出していません。

 今回の解像度チェックの対象になったのは次の11機種です。富士フイルムX-H1(2430万画素/ミラーレス)、同X-E3(2430万画素/ミラーレス)、同X-A5(2424万画素/ミラーレス)、キヤノンEOS Kiss M (2410万画素/ミラーレス)、同Eos Kiss X90(2410万画素/一眼レフ)、ソニーα 7 Mark Ⅲ(2420万画素/ミラーレス)、同α 7R Mark Ⅲ(4240万画素/ミラーレス)、パナソニックG9 PRO(2033万画素/ミラーレス)、同GX7 Mark Ⅲ(2030万画素/ミラーレス)、ニコンD7500(2088万画素/一眼レフ)、ペンタックスK-1 Mark Ⅱ(3640万画素/一眼レフ)の11機種。

 2017年4月以降発売で、かつ2000万画以上という条件を満たす機種は他にも7機種あるわけですが、そのうちの4機種、ニコンD850(4575万画素/一眼レフ)、キヤノンEOS 6D Mark Ⅱ(2620万画素/一眼レフ)、同EOS M6(2420万画素/ミラーレス)、同EOS M100(2420万画素/ミラーレス)の解像度チェックの結果は今年1月に発表した「高画素カメラの解像度比較」の第1弾で紹介済みなので、今回はチェックの対象から外しました。また、この4機種の他に、キヤノンEOS 9000 D(2420万画素/一眼レフ)、同EOS Kiss X9 i(2420万画素/一眼レフ)、同EOS Kiss X9(2420万画素/一眼レフ)の3機種も2017年4月以降の発売、2000万画素以上という条件を満たしていますが、いずれもエントリーモデルなので、今回の解像度チェックでは最新型のエントリーモデルであるEOS Kiss X90(2410万画素/一眼レフ)のみを代表機種としてチェックの対象にしました。

 チェックの結果ですが、予想通り、及第点をあげてもいいかなと思われたのは富士フイルムのX-H1とX-E3の2機種だけでしたが、キヤノンのEOS Kiss Mの解像度も案外良く、というより、従来のハイエンドEOSと比べても遥かに解像度が高いので、とても驚きました。勿論、X-Trans CMOS Ⅲセンサーを搭載した富士フイルムのXシリーズやFoveon X3センサーを搭載したシグマのsd Quattro(2950万画素/一眼レフ)やsd Quattro H(3860万画素/一眼レフ)に比べると、まだまだ、大人と子供くらいの差がありますが、さらなる改善は今後の機種に期待したいと思います。

 今回のチェックではマルチショットで解像度を上げる撮影モードの効果もチェックしました。ペンタックスK-1 Mark Ⅱのリアル・レゾリューション・システムⅡとパナソニックG9 PROのハイレゾモードのチェックですが、いずれも、非常に解像度の高い写真が撮れます。しかし、残念ながら三脚を使わないと撮れませんし、ワンショットでも解像度の高い写真が撮れるX-Trans CMOS ⅢセンサーやFoveon X3センサー搭載のカメラで撮った写真に比べると、やはり不自然さが気になります。

 ペンタックスK-1MarkⅡのリアル・レゾリューション・システムⅡは手ブレ防止モードを併用することによって手持ちでも解像度の高い写真が撮れるようになりましたので、とても感心しましたが、4枚の画像を合成しないといけませんから25秒ほど待たないと、次のシャッターを切ることができません。ですから、あまり実用的ではないかもしれません。

 以下に解像度チャートの撮影結果を画素数の多い順に紹介します。

ソニーα7R Mark Ⅲ

フルサイズミラーレス、4240万画素、2017年11月25日発売、333,454円

使用レンズ:Distagon T*FE 35mm F1.4 ZA

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PENTAX K-1 Mark Ⅱ

フルサイズ一眼レフ、3640万画素、2018年4月20日発売、223,394円

使用レンズ:smc PENTAX FA 31mm F1.8 AL Limited

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PENTAX K-1 Mark Ⅱ

Real Resolutionモード(マルチショットの高解像度モードで撮影)。通常モードに比べると、見違えるくらい解像度が高くなる。

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富士フイルム X-H1

APS-Cミラーレス、2430万画素、2018年3月1日発売、213,533円

使用レンズ:XF 23mm F2 R WR

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富士フイルム X-E3

APS-Cミラーレス、2430万画素、2017年9月28日発売、74,980円

使用レンズ:XF 23mm F2 R WR

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富士フイルム X-A5

APS-Cミラーレス、2424万画素、2018年2月15日発売、61,572円

使用レンズ:XF 23mm F2 R WR

X-Trans CMOS Ⅲセンサーを搭載していないので、解像度は高くない。

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ソニーα7 Mark Ⅲ

フルサイズミラーレス、2420万画素、2018年3月23日発売、223,123円

使用レンズ:Distagon T*FE35mm F1.4 ZA

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キヤノン EOS Kiss X 90

APS-C一眼レフ、2410万画素、2018年3月29日発売、51,900円

使用レンズ:EF-S 18-55 IS Ⅱ

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キヤノン EOS Kiss M

APS-Cミラーレス、2410万画素、2018年3月23日発売、62,152円

使用レンズ:EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM

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ニコン D7500

APS-C一眼レフ、2088万画素、2017年6月9日発売、107,780円

使用レンズ:AF-S NIKKOR 16-80mm F2.8-4 E ED

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パナソニック GX7 Mark Ⅲ

マイクロ4/3ミラーレス、2030万画素、2018年3月15日発売、84,310円

使用レンズ:SUMMILUX 15mm  F1.7 ASPH

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パナソニック G9 PRO

マイクロ4/3ミラーレス、2033万画素、2018年1月25日発売、164,690円

使用レンズ:VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0

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 パナソニック G9 PRO

ハイレゾモード(マルチショットの高解像度モードで撮影)。通常モードに比べると、かなり解像度が高くなるが、綺麗ではない。

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 G9 PROのハイレゾモードは画素数を最高値の半分くらいに抑えて撮った方が綺麗に撮れる。

(エイブイレポート社 avreport’s diary編集長 吉岡伸敏/2018年5月13日投稿)