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avreport’s diary
EOS R5とR6の解像度を検証
キヤノンが8K/30P動画撮影とか、20コマ/秒の高速連写とか、世界最高の8段手ブレ補正とか、より進化した高速・高精度AFとか、諸機能を一段と強化した、オーバースペックと言えなくもないフルサイズミラーレス一眼の新製品として、EOS R5(4500万画素/2020年7月30日発売)と、他にもう1機種、スペックを少し落としたEOS R6(2010万画素/2020年8月下旬発売)の2機種を発表しましたが、私が一番気になっていたのは、機能がどの程度強化されたかではなく、優劣がプロにも素人にも、チャート写真をご覧になれば一目瞭然の解像度です。
多分、私だけでなく、他の多くの人たちも、従来のキヤノンのカメラは一眼レフもミラーレスも解像度がイマイチだと思っていらっしゃったのではないでしょうか。
キヤノンの従来のカメラは画素数がそこそこ高いのに、解像度が案外低いということがよくありました。これは、他のメーカーのカメラでも時々見かけられた事象ですが、その原因は、あるメーカーによりますと、全ての画素を画像形成のために使うわけではなく、機能強化のためにも使うからであり、機能強化のために使う画素の割合が多くなればなるほど、解像度が低下するのだと、おっしゃっていました。
つまり、全てのカメラメーカーの画像形成技術のレベルが同じでも、解像度アップを優先するか、機能強化を優先するかによって、画素数がどんなに高くても、解像度が低くなることが、当然のこととして起こりうるわけですが、さて、新発売のEOS R5とEOS R6は解像度アップか機能強化か、どっちが優先なんでしょう。私は、EOS R5もR6も解像度アップより機能強化を優先したカメラとしてつくられたように思います。なぜなら、EOS R5(4500万画素)とニコンZ7(4575万画素)は、画素数が殆ど変わらないにも関わらず、解像度は明らかに、EOS R5の方がニコンZ7より見劣りするからです。
勿論、解像度が高ければ、良い写真が撮れるわけではないと、おっしゃる写真家もいらっしゃいますが、無知による暴論でしょうね。アンリ・カルティエ=ブレッソンとかロベール・ドアノーを引き合いに出して、解像度と写真のクオリティは関係ないと言いたいようですが、もし、ブレッソンやドアノーのょうな昔の有名な写真家たちがまだご存命だとしたら、どんなカメラをお使いになるか、お聞きしてみたいものです。
本稿でご紹介した6枚のモノクロチャート写真のなかで、もう1枚、納得できない写真があります。ソニーα7R Ⅳのモノクロチャート写真です。α7RⅣは言うまでもなく、ニコンZ7よりも綺麗ですが、画素数が6100万画素もあるのに、この程度かと思った方もいらっしゃると思います。私もその一人ですが、多分、ソニーもキヤノンと同じように、解像度アップより機能強化を優先するカメラメーカーなんだと思います。
因みに、私がブレッソンかドアノーだったら、ここにご紹介した6機種のなかから、どのカメラを愛用機として選ぶでしょうね。多分、Z7かα7R Ⅳだと思います。EOS R5はイマイチ、残り3機種は論外の烙印を押されてしまうと思います。
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さて、カラー解像度の検証結果はどうだったでしょう。ずばり、ガッカリでした。実はEOS RとEOS RPはチャートのストライプも同心円もそこそこ綺麗に写りますから、オッ!キヤノンもなかなか、やるじゃない、と感心したのですが、EOS R5とEOS R6で逆戻りしてしまいました。結局、6機種とも、カラー解像度は落第点です。
【投稿日(posted date)】2020年8月3日(August 3rd, 2020)
【投稿者(poster)】有限会社エイブイレポート社・avreport's diary(avreport.hatenablog.com)・編集長:吉岡伸敏(nobchan@din.or.jp)・副編集長:吉岡眞里子(marico@din.or.jp)/ AV REPORT Co.,Ltd.・avreport's diary・Chief Editor:Nobutoshi Yoshioka・Assistant Editor-in-Chief:Mariko Yoshioka