WELCOME TO

avreport’s diary

f:id:avreport:20180512225353j:plain

          フォトキナ2020開催概要説明会

 ケルンメッセが2月26日、午後6時半から、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で第36回フォトキナ(2020年5月27日〜30日・於ケルン)の開催概要説明会を開いた。

 もしかすると、CP+2020同樣、新型肺炎を理由に、フォトキナ2020も中止にするのでは?と見る人も多かったようだが、ケルンメッセはなぜか強気。

 「現時点ではドイツの健康保険当局が禁止しない限り」そして、また「中国企業の出展も前提に(つまり、中国企業の出展を拒否することなく)」予定通り開催するという意外な発表を、この開催概要説明会で行った。

f:id:avreport:20200226183301j:plain

2月26日、ザ・キャピトルホテル東急でケルンメッセが記者会見

 非常に注目された記者会見だったので、当然、WEBメディアが競ってレポートすると思っていたが、なぜか、私はまだどんなレポートも見たことがないので、ちょっと面倒だけど、クリストフ・ヴェルナー氏(ケルンメッセ・フォトキナ事業本部長)とカイ・ヒレブラント氏(ドイツ写真工業会会長)の挨拶、そして、両氏と記者団の質疑応答を紹介することにした。まず、ヴェルナー氏の挨拶から。

f:id:avreport:20200226183203j:plain

クリストフ・ヴェルナー氏(ケルンメッセ・フォトキナ事業本部長)

 「現在、2020年のフォトキナの準備段階ですが、いま、このタイミングに東京で行う記者会見に、ようこそお越し下さいました。ここ数ヶ月間、フォトキナに関しては多くの新しい情報がありましたが、全てがポジティブな情報ではありませんでした。ですから、今日はドイツ写真工業会のカイ・ヒレブラント会長とクリスチャン・ミュラーリーカー専務理事のサポートを得て、皆様に次のようなメッセージを届けます。

 私たちは引き続き、フォトキナを信じています。イメージングの、そして特に写真の世界的見本市であるフォトキナを信じています。

 皆さんはこのことを、次の見本市において、生で体験できるでしょう。私たちはフォトキナ2020にも2018年と変わらぬレベルで投資し、フォトキナ成功のために、より大きなチームを投入します。私たちは、1950年のフォトキナ創設以来、この見本市が意味してきたものを、変わらず継承しいきます。それはイメージやイメージング技術に対する情熱であり、世界から来た同じ情熱を持った人々と対話し、刺激を受けること、様々なターゲットに向けた、イメージングに関する新しい知識や新製品情報に触れて、実際に試すこと、業界のリーダーやスターからインスピレーションをもらうこと、そして、写真芸術です。

 数10年前から、この見本市が伝えてきたエモーションがフォトキナを特別なものにしています。来場者や出展者が感じるこのエモーションを私たちは準備期間中から感じ取り、特に見本市期間中に強く感じます。

 フォトキナはずっと以前から、イメージング産業とイメージングファンが集まる世界で最も重要な見本市でした。私たちは今年もこのエモーションを受け止める場でありたいと思っています。

 何点か新しい企画があります。5月26日のイメージング・イノベーション会議や5月27日のオープニング・キーノートでは、イメージング全体に関わる大きな変化に焦点を当てます。

 デジタル化は私たち全員に関係し、世界的に重要性をもち、人間のコミュニケーション文化やニーズを大きく変えます。写真は私たちのコミュニケーションの重要な一部です。変化によって新しいものが生まれ、創造性やイメージが生まれる余地が生じます。このため、キーノートのメッセージはグローバルなものになります。

 IMAGING LABはさらに発展させ、ホール4.2で開催します。ここにはプレゼンや新コンセプトやテクノロジー、ビジネスアイデアの意見交換をするための理想的な環境が整っています。世界のスタートアップ企業、イノベーションリーダー、大学、開発者やシンクタンクが一堂に会し、イメージング産業の挑戦課題について議論し、写真&動画、モバイルやデジタルイメージング、VR/AR/ミックスト・リアリティ、アプリ、3 D映像、AI、ソフトウエア、クラウドサービスの先進技術を見せ、イメージングのビジネスモデルを発表します。

 プロユーザーはメーカーの新製品情報を楽しみにできるだけでなく、プロフェッショナル・ステージやモーション・ステージで行うイベントで仕事に役立つ知識を得たり、価値のある新しいコンタクトを作ったり、インスピレーションをもらうことができます。

 また、ドイツ・カメラプライズとの新しい戦略的パートナーシップはフォトキナのビデオと映画の領域をさらに強化します。授賞式は5月29日タンツブルネンという場所で行います。受賞者は土曜日に会場で自分のプロジェクトに関して講演することになっていて、セミプロユーザーやプロユーザーに重要な刺激を与えてくれると思います。

 また、若いステップアップユーザーにも新しいプログラムを用意しています。というのも、特に若い人の間でイメージングへの関心が高まり、プロ並みの写真を撮って、シェアしたいと思う人が増えているのです。このターゲットグループが今ほど沢山の写真を撮ったことは、これまで、ありません。数年前から、このグループにマーケテングの焦点を当てたことにより、来場者の構成を大きく替えることができました。今では、30歳未満の人の比率が30%になっています。

 2020年は特に25歳未満のターゲットグループに向けて、初めて見本市会場全体にフォトスポットを設け、思い切りカメラを使って、やりたいことを試してもらいます。これは現在、世界中で数千人もの若い人の人気を集めているThe Foto-Experienceのコンセプトにヒントを得ています。

 さらに、私たちはフォトキナのオンラインチャネルと見本市の連携をさらに強化します。多くの若いクリエーターはフォトキナで自分の作品について語ることに強い関心を持ち、フォトキナは”行く価値のある場所”だと考えています。私たちのコミュニティーズ・ステージは予約がほぼ埋まりました。”モバイル・フォトグラフィー”というテーマはステージイベントの約5分の1を占める予定です。

 新企画として、これに加えて、Gearflixによるレンタル・ポイントと組み合わせ、クリエーター・ラウンジを開催します。コンセプトは簡単です。様々な国や文化圏のクリエーターが見本市会場でライブ、あるいは見本市のチャンネルを通じて、自分の機材や出展企業の新製品をどのように使うかを説明します。ここでも言えることは、映像言語は世界で通じるということです。どんな場所でも理解されない、言語の壁はありません。クリエーターは世界で活動しています。そして、来場者はレンタル・ポイントで直節、新製品を借りて、新しく得た知識を実際に試すことができます。これによって、私たちは来場者が相互交流できる新しい場を作り、同時にフォトキナとその出展企業はデジタルチャンネルで、より広範囲に情報発信できるようにします。

 今日はまた、2020年のフォトキナが少しコンパクトにならざるを得ないことも、隠さず申し上げます。これは世界のカメラ市場を見れば、意外なことではありません。CIPAの情報では、2019年前半の世界のデジタルカメラの売上減少率は2018年比で平均25%、2017年の同期比では45%だったということです。このような市場の変化は業界の主要メッセにも明らかな影響を与えます。

 皆様、ご存知のように、いくつかのキーアカウント企業が出展を取りやめています。空いた展示スペースは他の出展企業によって、簡単に埋めることはできません。使用する会場は、展示ホール3.1、3.2、4.1、4.2、5.2を予定しています。この中で、東ゲートのすぐ近くのホール4.2が新しく加わりました。過去にフォトキナで使用していたホール1と2は改装工事のため、フォトキナ2020では使用できません。

 今の時点では、5月末に最終的に何社が出展するのかをお伝えすることはできません。見本市の3か月前という現在、特に外国から、まだ多くの申し込みがあることは、ごく普通のことです。経験からいって、スタートアップ企業の申し込みは遅いです。正式な出展企業の数はフォトキナの4週間前から6週間前に発表します。

 いま、私たち全員にとって、気がかりなのはもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大です。最近、CP+も中止となりました。ケルンメッセはこのテーマを真摯に受け止め、警戒レベルを1段階引き上げました。対策として、保険当局とは、常に緊密な連絡をしています。しかし、WHO、ドイツ連邦保健省、および地域の保険機関の推薦に照らして判断すれば、現時点では、ケルンメッセのような大規模イベントを中止する理由はありません。

 すなわち、ケルンメッセの全ての催しとフォトキナの準備は予定通り進めており、皆様のご参加を楽しみにしております。現地の会場では効果のある予防措置を実施する予定です。感染予防に役立つとされる消毒薬をより多く提供し、人が多い場所は清掃の頻度を増やします。感染の疑いのあるケースが出た場合に備えて、救護ステーションには専門の医師や救護アシスタントが待機し、現場での疑問に対応します。

 先ほど申し上げた市場の状態に鑑みれば、フォトキナ2020以後の状況に関して”今まで通り”と申し上げるのは軽率でしょう。この意味でフォトキナ2020は全てのステークホルダーとオープンに対話し、この見本市を新しく定義するための出発点となるでしょう。フォトキナはイメージングの主要見本市として、大きく変化するニーズに対応する必要があり、新しいテーマや成長分野、新しいフォーマットに対して、国際的なプラットフォームを提供しなければなりません。

 世界中で沢山の様々な見本市を主催する私たちは知っています。見本市は市場を映す鏡であり、市場は変化するものです。何年にもわたって成功を続けてきた他の多くの見本市も市場の変化という挑戦課題に晒されます。課題があるのはフォトキナだけではありません。多くの見本市のコンセプトは更新が必要です。新コンセエプトを決定づけるのは、イベント化、デジタル化、そして社会全体の転換プロセスです。最終的に見本市は常に適応を求められ、時には新しいバージョンが必要となるプロダクトであり、それによって市場とお客様のニーズに対応していくのです。

 ケルンメッセのクオリティとは、単に見本市の運営サービスを提供するだけでなく、時代に先駆けて考え、道を開き、伴走者として変化を見極める存在であることです。

 私たちは、業界と手を携えて前進し、フォトキナによって新しい刺激を与え、コンタクトを作り出し、新しいマーケットへのアクセスを提供して、出展企業が新しいポテンシャルを獲得し、成長できるようにしたいと思います。

 その際の私たちの挑戦課題は、多様なステークホルダーがもつ、見本市に対する多種多様な関心をまとめ上げることなのです。ですから、私たちは、今から、世界中の出展企業、専門バイヤーや個人ビジターと対話しているのです。

 メディアを代表する皆様もまた、このプロセスに重要な力を与えることができます。ですから、私たちは、今日、皆様のところに伺うことができ、嬉しく思います。皆様と有益な話ができるのが楽しみです。そして、勿論、皆様とケルンでお会いすることを楽しみにしております」

 続いて、カイ・ヒレブラント氏の挨拶。

f:id:avreport:20200226183151j:plain

カイ・ヒレブラント氏(ドイツ写真工業会会長)

 「本日は写真工業会の代表、そして、伝統ある見本市の代表としてだけではなく、イメージングという素晴らしい産業を代表する立場からもお話しさせて頂きます。

 日本語の”写真”という言葉は、再現・反映を意味る”写”と、現実を意味する”真”という2つの漢字でできています。文字通り、ありのままを写し取ると考えると、イメージングが私たちの日常生活に分かち難く結びついていることが分かります。

 自動車、医療、セキュリティ、広告、建築など、様々な業界がありますが、イメージングが今日も、そして、これからも、イノベーションと現代生活に推進力を与える要素であることに変わりありません。

 しかし、過去からの影響なくして、現代はあり得ません。世界中で日本ほど、伝統と現代がうまく繋がりあっている国はありません。日本では、脈々と受け継がれてきた儀式がもつ正のエネルギーが飛躍的に高まる21世紀の要請と可能性に、たぐい稀なる形で結びついています。

 スマートフォンの台頭以来、私たちは大きな挑戦に直面しています。私たちの課題はイメージングという素晴らしい伝統芸術を現代の要求、現代のライフスタイルと結びつけていくことです。映し出された現実に目を向けると、カメラ市場における販売台数の減少という事実を受け入れざるを得ません。

 (カメラとスマートフォンの販売台数を比較したグラフをスクリーンに映して)このグラフを見て、私たちの業界が右肩下がりであると解釈することはできます。一方で、世界中でこれだけ多くの人々が写真を撮るために、毎日、カメラを使っていることから、ここにチャンスを見いだすこともできます。

 こちらは、ドイツで行ったある調査のデータですが、欧米諸国の傾向を表していると考えられます。カメラと動画撮影の機能がスマートフォンの本来の機能である通話と同じくらい、重要であることが分かります。

 2017年に撮影されたデジタル写真の枚数は1兆2000億枚でした。専門家は2020年は1兆4000億枚になるだろうと予測しています。この傾向に乗じて、現在、ブームに湧いているのは、世界のイメージング、あるいはフィニシング業界です。フォトブック、壁掛けパネル、カレンダー、グリーティングカードなどが、贈答用として高い人気を博すようになっています。特に若い人たちは、食事、セルフポートレート、友達、ファッションや建物などを撮影して、日常の些細な思い出を記録しています。知らず知らずのうちに、スマートフォンユーザーには、自覚しているかどうかは別として、写真撮影に対する興味が芽生えているのです。

 私たちの課題は、この小さな種から、健やかで、力強い植物を育てることです。人々の興味、関心を、手早く、手軽に撮れる写真から、表現力豊かな高品質イメージングへの情熱へと変えていくことです。

 製品に対する興味、関心を喚起することは、広告や私たちの情報発信によって可能です。しかし、主要見本市であるケルンのフォトキナでは、実際にカメラで撮影するという体験などを通じて、イメージングの品質、そこに流れるゆったりとした時間、そして、被写体と様々な場面への敬意を実際に感じて頂くことができます。 

 とりわけ、頻繁に写真を撮るスマートフォンユーザーにとっては、本物のカメラを手にとって撮影することは、特別な体験になります。

 日本には三本の矢という格言があります。私たちはフォトキナにおいて、カメラ産業だけではなく、イメージング産業全体を取り上げたいと、強く思っています。なぜなら、これまで述べてきた課題を克服するためには、強力なネットワークという視点と、分野横断的なアプローチが必要だからです。

 長期的には、私たちの製品とサービスの将来に関わってくることなのです。求められているのは、新しい思考と行動です。今から、既に明日のこと、さらに、その先のことを考えておく必要があります。未来に目を向けると、ボタンとタッチスクリーンに代わって、音声入力、ジェスチャー、目の動きが活躍するようになるのは確実でしょう。人型ロボットが高齢者や病人の介護の場で、人間をサポートするようになるでしょう。

 未来のビジョンは他にも沢山ありますが、そこには共通点があります。カメラとセンサー無くして、実現は難しいということです。私たちのイノベーションを他の産業の創造力と組み合わせることで、未来への道が開けていくのです。

 5月末のケルンにて、皆様を業界の主要見本市であるフォトキナでお迎えできますことを楽しみにしております」

質疑応答

 ★大手メーカーのなかで出展を明言しているメーカーとか、絶対出るぞと言っているメーカーはありますか。逆に、出展を見合わせると、明言しているメーカーはありますか。

 「ディテールに関しては、フォトキナの4週間ほど前にリリースしたいと思いますけど、現時点では、富士フイルムニコンオリンパス、ライカが出展しないということであります。ただ、ライカはまた違う枠組で出るというふうに言っています。私どもは、ライカがどうするのかということを、いま、見守っているところです」

 「いま申し上げたキーカウント以外は出展します。勿論、大きなアカウントが出ないというのは、非常に悲しいことでありますけれども、しかし、流通、写真工業会は私どもを最大限に支援をしておりますし、また、出展してくれる出展者、企業に対して、私どもも投資をしていきたいというふうに思っております。そして、また、この企業がその出展を成功裏に行なって頂けるように、私どもとしては、していきたいというふうに思っています」

 ★ソニーは割と直前に出展をしないというふうな話をしますが、いまのお話のなかに出てこなかったなかで、出展を見合わす可能性がある企業は何社くらいだと思われているでしょうか。

 「いま、その質問にお答えするのは、凄く難しいです。なぜならば、皆さん、報道でもお聞きになるように、毎日、新しいニュースが出ていますし、新型肺炎の問題もあります。私がスピーチでお話したように、健康保険当局とは常に話をしておりますので、いまのところは、フォトキナを中止するという理由は見つからないということなんですが、それに関して、出展者側からも、コロナのために出展をやめるというようなお話はまだ頂いておりません。ただ、フォトキナまでは3ヶ月あります。なので、いまの状況で予測を申し上げるのは難しいということを、ご了承頂きたいと思います。また、業界としても、やはり、企業さん、それぞれ、1社1社の決断だと思っています。本当に、保険当局が例えば、見本市に関してはヨーロッパでは基本的に中止すべきだというような話をしない限り、企業さん、それぞれの判断に委ねられると思っております」

 ★中国の企業は、事実上、現時点で稼働していません。ですので、出展を見合わせる可能性が高いと思うのですが、現時点では影響が出ていないと考えてよろしいのでしょうか。

 「それも、先ほどお答えした質問と同じでありまして、回答するのは難しいわけですけれども、まだ、フォトキナまでは3ヶ月あるわけで、5月の末のことでありますので、まだ、予測が難しいと思いますけれども、中国企業の出展を前提として、いま、計画中であるということであります」

 ★前回、スマートフォンのメーカーを積極的に招致するというお話があったと思うのですが、今回もスマートフォンに関連する話が、結構、いまのスピーチにも出ていたと思うんですが、具体的にスマートフォンメーカーが出展に対して明言しているというふうなところは、現時点であるのでしょうか。

 「モバイル・フォトグラフィーというのは、実際、我々にとって、戦略的にも重要になっています。ステージプログラムの割合で考えると、ご参考に申し上げますと、20%はもう、そういうモバイル・スマートフォンなんですね。我々の課題としては、やはり、ステップアップユーザーに働きかけるということ。で、そのためには、やっぱり、イメージングだけではなくて、やはり、スマートフォンが非常に大事であるということなんです。モバイル・フォトグラフィー、イメージングというのが非常に重要です。それは分野を横断的にステージプログラムだけではなく、じゅうそうていおん(意味不明)として、我々にとって重要なんです。クリエーターズ・ラウンジの話もしましたけれども、そういったところでも、内容的なお話をしたいと思いますし、インスタグラマー・アカウントに関しても、そういうターゲットグループを意識したプログラムを色々考えています。ただ、実際、お話にあったように、やはり、大手のスマートフォンメーカーが出展するのが非常に大事なんですね。ファーウエイが前回は出たということで、非常に大きな反響を呼んだんですが、しかし、いま、ご存知のように、OSとしてファーウエイを導入するかどうかというのが、大きな問題になっていますし、現状では、いま出展をするかどかということについては、明言できない状況です。いま、交渉中でありまして、交渉中のところもありますが、具体的なメーカー名までは、今日のところは、ちょっと申し上げられないので、ご了承頂きたいと思います。重要なのはソニーのような大企業が、やはり、スマートフォンをイメージングのコンピタンスを使って作っているということです。さらに重要なのはメーカー、作ること、そして、やっぱり、コンセプトも大事だと思います。やはり、ユーザーに対して、どういうふうに働きかけているか、そのクイックフォートというのは、品質的にはそれほど高い写真ではありません。ですから、いま、クイックフォートを撮っている、そういうユーザーの方にもっと働きかけて"写真撮るの好きでしょ、スマートフォンで、でも、実際にイメージング、写真を撮るって、もっと面白いんだよ、もっと高品質なものができるんだよ"ということを働きかけたいと思っています。ま、イメージングメッセとして、勿論、最終的には非常に高品位なカメラを、我々は紹介していくわけですから、スマートフォンユーザーにも、そういうものに興味を持って頂きたい、そういう方向性に働きかけていきたいと思っています」

 ★スマフォの世界では、5Gという新しい通信のフォーマットが広がってくるということで、スマフォの利用のなかでも、動画というジャンルがもっと拡大してくると言われていますけれども、皆さんにとって、こういう変化は、新しい定義として、どういう具合にお考えになるんでしょうか。

 「そうですね。おっしゃることは理解致します。そして、5Gが始まりますので、携帯電話は保存するキャパシティ等も問題になってくると思います。私たちが、そこですべきことは、そもそも、写真業界において、ま、写真というの静止画から来たわけなんでありますけれども、しかしながら、動画が重要になってきたということはトレンドであるわけです。多くの消費者がスマートフォンでビデオを撮ったり、ビデオを送ったりしていますが、そういう新しい分野に関しても、高品質なビデオが作れるようなスマートフォンを対象にして、新しい市場に対応していくことが重要だというふうに思っています。そして、この写真工業会というのが、コンサバティブであって、保守的なために、そういった新しい分野に対してオープンになれない、というようなことにならないようにしたいというふうに思っています。そういった分野に関しても、フォトキナではモーション・ステージですとか、そういった分野で、モーション・ステージだけではなく、他のプログラムにおいても、高品質の一眼レフカメラだけではなくて、そういったスマートフォンにおける高品質な写真であったり、あるいは動画なども焦点を当てていきたいというふうに思っているわけでございます。ということで、フォトキナに来て頂ければ、新しい何らかの技術が、多分、発見できるのではないかというふうに思っております」

 ★フォトキナに参加されないメーカーさんに個人的にお訊きしましたら「毎年、春なら、出ないよね」と言われたんですけど、皆さんは、富士フイルムニコンオリンパス、ライカが出展しない理由はどこにあると、お考えですか。

 「写真工業会としては、グラフ(売上実績の)によって分ったのは、実際にカメラの売上が落ちているということです。やはり、コストのプレッシャーもあるということですね。売上が落ちれば、やはり、コストを削減しなければならない。写真業界というのも、やはり、伝統的な業界ですので、なかなか財政的に難しいと、投資をするのが難しいと、いうこともあるのかと思います。やはり、財務的な理由ではないかなと、私たちは考えています。私たちが、やろうと思っているのは、ケルンメッセとして、ドンドン、投資をしていって、このような見本市に出展することが不可欠だというふうに、メーカーの皆さんに思って頂くことだと思っています。9月の開催は良かったかも知れませんが、しかし、いまのビジネス界はめまぐるしく変っていますから、2年に1回、9月だけということでは、なかなかトレンドに追いつけていけないということがありました。やはり、出展できないというのは、それぞれの企業さんの独自の理由があって、ま、とりあえず、今回は出ない、ただ、フォトキナに今後ずっと出ない、ということではない、というお話を大体伺っておりますので、それぞれ、一つ一つの企業さんの理由であると、私たちは考えています」

 ★フォトキナは来年以降も毎年開催する予定なんでしょうか。それから、今回は展示ホールがかなり少なくなるということなので、それに伴って、今まで2カ所にあったプレスルームの場所の変更もあるのでしょうか。

 「まずは、2020年にフォーカスを当てて考えておりますので、ま、市場はいま大きな変化に晒されているということで、メッセ、見本市自体も新しく考え直さなければいけない時代であるということを、先ほど、おっしゃっていらっしゃいましたけれども、ということで、様々なステークホルダーと話をしまして、写真工業会であったり、あるいはお客様、出展企業などとお話をして、今後、どのような形でフォトキナを続けていくかということを考えたいと思います。

 そして、出展ホールでありますけれども、ホール1と2は使わないということでありますので、少し小さくなったわけでありますけれども、4.2というのが新しく加わりました。いまの広さというのは、次のフォトキナ(フォトキナ2020)には非常に適切な大きさだというふうに思っています。

 それから、プレスルームでありますけれども、まずはコングレスセンター東、あるいはコングレスセンター西に作る予定です。ということで、連絡通路が西と東にありますので、5分ほどで両方、行けるということであります。そして、色々なイベント関係や、あるいは様々なプロダクトをそこで紹介する予定になっています」

 ★今回、5つのホールを使いますが、その5つのホールのテーマのようなものは、もう決められているんですか。

 「ハイ、あります。クリアなフォーカスがありまして、ソニーさんはフルラインナップなので、モーション、動画、それを5.2、4.1と4.2、イメージングラボはプレゼンティング、キャプチャリングというテーマなんですけれども、そして、4.1ではコミュニティーとプロフェッショナル・ステージを考えています。私たちが、いつもやろうとしているのは、ユーザーの方々にとって、1カ所にお店の方が集まらないようにしよということなんです。なので、うまく導線を組めるような形で、色々なポイントで楽しめるポイントを作っていくということなんです。で、いまのところ、今年、それは凄く巧くいっておりまして、ビジターの方々には非常に喜んで頂けると思っています」

 通訳が下手過ぎ!日本語を忘れたのかな。何を言っているのか、さっぱり分かりません。

   
【投稿日(posted date)】2020年2月28日(February 28th, 2020)  

【投稿者(poster)】有限会社エイブイレポート社・avreport's diary(avreport.hatenablog.com)・編集長:吉岡伸敏(nobchan@din.or.jp)・副編集長:吉岡眞里子(marico@din.or.jp)/ AV REPORT Co.,Ltd.・avreport's diary・Chief Editor:Nobutoshi Yoshioka・Assistant Editor-in-Chief:Mariko Yoshioka