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avreport’s diary

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  6400万画素のスマホ

Huawei P40 lite 5Gの解像度を検証

 Huawei(中国)が6400万画素の高画素カメラを搭載したスマホ、P40 lite 5G(以下P40)を6月19日に発売しました。この6400万という画素数はカメラメーカーの高級ミラーレス一眼や高級一眼レフをも凌ぐわけですが、値段は驚愕の39,800円(アマゾン価格)。カメラメーカーの中高級カメラに比べると、タダみたいな値段なので、私もすぐに予約、発売2日後の6月21日の午後には、もう解像度チャートの撮影が可能になっていました。

 勿論、P40 lite 5Gを凌ぐ、もっと高画素のミラーレス一眼やスマホもあります。ご存知のように、富士フイルムは昨年6月に1億200万画素の中判カメラ、GFX100を発売しました。また、昨年12月には、シャオミ(中国)が1億800万画素のスマホ、Mi Note 10を発売しました。ですから、P40が発売になったからといって、大騒ぎする必要はないのかもしれませんが、GFX100は値段がボディだけで121万円(価格ドットコム)です。これに対して、P40は39,800円。しかも、白黒解像度に関するかぎり、GFX100とP40との差は殆どありませんから、これはビッグニュースです。

 ただ、1億800万画素のシャオミ Mi Note 10は、どの程度の解像度なのか、よく分かりません。値段は52,800円と、比較的リーズナブルなので、すぐに購入して、チェックすべきなのかもしれませんが、私は全く食指が動きません。

 実は昨年6月に26,777円で購入したシャオミのRedmi Note 7が当時としては最高画素の4800万画素を謳いながら、解像度が余りにもお粗末だったからです。以来、シャオミブランドは私の選択肢のなかから消えてしまったわけです。 

 Redmi Note 7の解像度がいかにお粗末かは2019年6月23日に投稿した当ブログをご覧になれば、お分かりになります。 

 というわけで、本稿ではP40とシャオミMi Note 10との比較はできませんが、1億200万画素のGFX100との比較はして頂けます。

 なお、P40と人気のあるミラーレス一眼4機種との比較ができる簡単な検証結果はすでに、私のフェースブックで紹介済みですが、残念なことに、ご覧になる方が殆どいらっしゃらないので、削除してしまいました。もしかしたら、カメラやスマホに興味のある方が、もう、いらっしやらないのかもしれませんが、としたら、カメラ業界の衰退はさらに進み、撤退、売却するメーカーが続出ということになるかもしれませんね。

 本稿ではP40と比較できる機種を大幅に増やしました。すでに削除してしまったフェースブックで紹介したのは、高画素のフルサイズミラーレス一眼2機種、ニコンZ7(4575万画素•299,358円)とソニーα7R4 (6100万画素・368,407円)、そして画素数はそう高くないけれども、話題性のある人気のミラーレス2機種、フルサイズのシグマfp(2460万画素・183,995円)とAPS-CニコンZ50(2088万画素・95,800円)、計4機種ですが、本稿では、あと4機種追加、8機種と比較して頂けるようにしました。

 追加したのは、まず、P40と同じ市場で競い合っているスマホ3機種です。この3機種は昨年6月23日に投稿した当ブログで紹介したシャオミRedmi Note 7(4800万画素)とHuawei P30 (4000万画素)、そして、もう1機種、高画素機ではありませんが、私が日常的に使っているアップルのiPhone XR(1200万画素)です。本稿で比較して頂ける残りの1機種は1億200万画素のGFX100です。

 使用した解像度チャートは米国・Applied Image Inc製の白黒解像度チャート、QAー77と電塾のカラー解像度チャートの2種類です。

 白黒解像度チャートの撮影は簡単ですが、カラー解像度チャートの撮影は白黒チャートの何倍もの時間がかかって、とても面倒です。

 カラー解像度チャートの撮影は、指定されたゾーンを縦横各500ピクセルで撮るように、細かく指示されていますので、撮影距離を少しずつ変えながらピクセル数を調節しないといけないからです。 

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 さて、以下は白黒解像度を比較するために撮ったチャートの写真です。まず、最初に紹介するのは、本稿の主役P40ですが、最も画素数の高い撮影モード、6400万画素のハイレゾモードで撮った写真です。縦のストライプがこのチャートの限界解像度を表す 40(4000本/200mmつまり20本/mm)の位置に達しても、白黒の区別がはっきり分ります。その解像度はニコンZ7やソニーα7R4とほぼ互角、そして1億200万画素の富士フイルムGFX100にも、もう少しで手が届くレベルです。ただ、残念なのは、白黒のコントラストが弱く、少しザラザラした感じがするところです。

 GFX100の次は4800万画素のシャオミ Redmi Note 7ですが、解像度が余りにも低いので、何だか詐欺に遭ったような気がしたくらいです。限界解像度の40はおろか、34くらいの位置にくると、もう白黒の区別がつかなくなります。

 シャオミ Redmi Note 7の次は、昨年5月に発売された4000万画素のHuaweiのP30です。画素数は余り高くありませんが、縦のストライプが限界解像度の40本の位置に達しても、P40ほどではありませんが、白と黒の区別が割合ハッキリと分かりますから、きっと優秀なエンジニアを抱えているのでしょうね。

 次は私が日常的に使っている1200万画素のiPhone XRで撮った写真です。縦のストライプがP40やZ7、α7R4、GFX100ほど、きめ細かくありません。線の幅が太くなり、線の数が高解像度モデルの半分くらいに減っています。また、白線と黒線のコントラストもハッキリしませんが、限界解像度の40本の位置まで、白線と黒線の区別が分ります。ですから、iPhone XRはそこそこの解像度があると言っていいと思います。

 次の写真もP40で撮った写真です。最初にお見せしたP40の写真に比べると、ガッカリするくらい低レベルの解像度ですが、この写真は6400万画素のハイレゾモードでなく、1600万画素の写真モードで撮ったものです。因みに、P40の撮影モードは全部で5種類あります。ハイレゾモードの他に、写真モード、HDRモード、プロモード、文書モードがありますが、ハイレゾモード以外は全て1600万画素の低解像度の写真しか撮れません。

 しかし、もっとガッカリするのは、残りの2枚の写真です。話題性も人気もあるシグマfp、ニコンZ50という本格的なミラーレス一眼で撮った写真ですが、両方とも、お粗末としか言いようのない解像度しかありません。ストライプの白線と黒線の区別がかろうじて判別できるのは34〜36本の解像度を表す位置辺りまでですら、P40の写真モードと余り変わらないわけです。

 ただ、YouTuberたちは、なぜか、いまもひたすら、fpもZ50も素晴らしいカメラだと、褒めちぎっていますから、解像度以外は優れたカメラなのかもしれません。

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Huawei P40 lite 5G (6400万画素)ハイレゾモード

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ニコンZ7 (4575万画素)

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ソニーα7R4 (6100万画素)

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富士フイルム GFX100 (1億200万画素)

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シャオミ Redmi Note 7 (4800万画素)

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Huawei P30 (4000万画素)

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iPhone XR (1200万画素)

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Huawei P40 lite 5G (6400万画素) 写真モード

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シグマfp (2460万画素)

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ニコンZ50 (2088万画素)

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電塾カラー解像度チャート。500 PIXELと指定してある部分を誤差1/100の495~505 PIXELで撮らないといけません。また、チャートの天地左右が正確にレンズ面と等距離になるように、水平、垂直の傾きを調節しながら撮影しないといけませんので、とても面倒で時間がかかります。

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電塾カラー解像度チャートの全体写真の中で赤枠で囲った部分。同心円や縦横斜めのストライプがこの通り写るベイヤー配列センサー搭載のカメラは殆どありません。ベイヤー配列センサーは1画素がRGGB、四枚のカラーフィルターで構成されていますので、RGGBで入力してRGBで出力するという面倒な処理が必要だからです。それでも、カメラが1000万画素くらいだった頃は、同心円もストライプも比較的、綺麗に写るカメラがごく僅かにありましたが、2000万画素を超えるようになってからは、どのカメラも例外なく、RGGBからRGBへの変換がうまくできなくなってしまったようです。

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 残念ながら、カラー解像度の高いスマホは1200万画素という低画素のiPhone XRだけです。また、カラー解像度の高いカメラメーカーのカメラは1機種もありません。

 GFX100は同心円とストライプの一部が微かに写っていますが、とても、カラー解像度が高いとは言えません。

 もうお気づきだと思いますが、同心円もストライプもしっかり写っている写真が1枚だけあります。P40のハイレゾモードで撮った写真ですが、この写真はカラーチャート写真の最初にお見せしたP40のハイレゾモードとは別物です。撮影方法が違います。最初にお見せしたボケボケのハイレゾモードの写真は500 PIXELで撮りなさいという指示に従って撮ったものですが、写真モードで撮影するときの2倍くらいの距離から撮っています。しかし、写真モードで撮ったあとに、撮影位置を変えず、撮影モードだけを、写真モードからハイレゾモードに切り替えて撮ると、本来のハイレゾモードならボケボケにしか写らない同心円やストライプが綺麗に写ります。要するに、被写体との距離を縮めて撮れば、カラー解像度の高い写真が撮れるということになるわけですが、ハイレゾモードを写真モードと同じ位置で使えば、縦横各500 PIXELで撮りなさいと言う指示を守ることはできません。P40 のハイレゾモードを写真モードのつもりで撮ると、指定された箇所が500 PIXELでなく、1000 PIXELの写真になってしまいます。

 最後に今回の検証の結論ですが、白黒解像度、カラー解像度ともに、カメラメーカーのミラーレス一眼にまだ一日の長があるように思いますが、如何せん、一般的な消費者にとっては、値段が高すぎますから、個人的にはスマホメーカーの成長をもう暫く見守りたいと思います。

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Huawei P40 lite 5G (6400万画素) ハイレゾモード

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Huawei P40 lite 5G (6400万画素) 写真モードと同じ撮影距離のハイレゾモード。本来のハイレゾモードの約半分の距離からの撮影なので同心円もストライプも綺麗に写る。

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Huawei P40 lite 5G (1600万画素) 写真モード

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ニコン7 (4575万画素)

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ソニーα7R4 (6100万画素)

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富士フイルム GFX100 (1億200万画素)

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シャオミ Reimi Note 7 (4800万画素)

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Huawei P30 (4000万画素)

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iPhone XR (1200万画素)。本稿に登場するカメラ8機種の中で画素数は最も少ないが、カラー解像度は最も高い。同心円もストライプもよく写っている。

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シグマfp (2460万画素)。シグマのカメラはカラー解像度の高さが売りだったが、fpはフォベオンセンサーでなく、ベイヤーセンサーを使っているので、カラー解像度は呆れるほど低い。

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ニコンZ50 (2088万画素)。白黒解像度、カラー解像度ともに平凡。

【投稿日(posted date)】2020年7月2日(July 2nd, 2020)  

【投稿者(poster)】有限会社エイブイレポート社・avreport's diary(avreport.hatenablog.com)・編集長:吉岡伸敏(nobchan@din.or.jp)・副編集長:吉岡眞里子(marico@din.or.jp)/ AV REPORT Co.,Ltd.・avreport's diary・Chief Editor:Nobutoshi Yoshioka・Assistant Editor-in-Chief:Mariko Yoshioka