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avreport’s diary
マイクロフォーサーズ型ミラーレス一眼カメラの最新鋭機、オリンパスOM-D E-M1X(2019年1月24日発表・同2月22日発売・2037万画素)の貸出機が発売日の2月22日に届いたので、早速、モノクロ解像度チャート「QA 77-P-RM」(米国のApplied Image Inc製)とカラー解像度チャート「電塾解像度チャート」(電塾製)を撮影して、解像度をチェックしてみた。今回はE-M1Xの解像度がどの程度のレベルにあるのかを調べるために、以下のカメラで撮った解像度チャートの写真も併せて紹介した。
★オリンパスOM-D E-M1 Mark2(2016年12月12日発売・2037万画素・マイクロフォーサーズ型一眼カメラ・時価184,96円):最新鋭機のE-M1Xと画素数が同じなので、両者の解像度に優劣は見られない。
★ニコンD5600(2016年11月25日発売・2416万画素・APS-C型一眼レフカメラ・時価62,790円):ニコンデジタル一眼レフの入門機。時価はE-M1Xの実に1/5、本体重量は1/2しかないが、センサーサイズも画素数もE-M1Xを上回っているせいか、解像度はE-M1Xよりも遥かに高い。
★ニコンZ6(2018年11月23日発売・2450万画素・35mmフルサイズ型ミラーレス一眼カメラ・時価237,800円):ニコンの最新鋭レンズ交換式カメラ。ニコンZ7やD850のすぐ下の価格帯の高級機だが、E-M1Xよりも遙かに安い。が、センサーサイズも画素数もE-M1Xより遥かに大きいので、解像度もE-M1Xより遙かに高い。しかし、その解像度も私が愛用している入門機のD5600と余り変わらないので、Z6を絶賛する著名人の言辞に出会うたびに、業界を悪くしたのは、こいつらだと思ってしまう。
★富士フイルムX-T3(2018年9月20日発売・2610万画素・APS-C型ミラーレス一眼カメラ・時価150,929円):絶対にフルサイズミラーレス市場には参入しないと宣言したメーカーがプライドをかけて投入したAPS-C型ミラーレス一眼の最新鋭機。一つ上の価格帯にプロ仕様のX-H1(2430万画素・2018年3月1日発売)があるが、イメージセンサーもイメージプロセッサーもX-T3の方が新しい。モノクロ解像度、カラー解像度ともに、ニコンZ6より遙かに優れている。しかも安い。が、最近、ノイズや画面の汚さが気になってきた。
★キヤノンEOS R(2018年10月25日発売・3030万画素・35mmフルサイズ型ミラーレス一眼カメラ・時価188,500円):モノクロ解像度、カラー解像度ともに、ニコンZ6より遙かに高く、富士フイルムのX-T3とほぼ互角。解像度が同じフルサイズミラーレスのZ6より高いのは、画素数の違いによるものではなく、多分、新規開発のイメージプロセッサー、DIGIC 8の性能が良いからだろう。なぜなら、旧タイプのイメージプロセッサー、DIGIC 7を搭載した、いかなるEOSの一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラよりも、DIGIC 8を積んだEOS RとEOS Kiss Mのカラー解像度が圧倒的に高いからだ。値段がZ6より安いのも魅力だが、X-T3と比較すると、残念ながら割高感がある。
★ニコンZ7(2018年9月28日発売・4575万画素・35mmフルサイズ型ミラーレス一眼カメラ・時価359,800円):ニコンが満を持して投入してきたフルサイズミラーレス一眼カメラの1号機。このカメラの解像度を凌駕するカメラは35mmサイズ以下のフォーマットと限定すれば、まだ、どこにも無いと言い切ってもいいだろう。多分、シグマのsd Quattroはどうなんだと異論を挟む向きもあると思うが、sd Quattroは撮影可能枚数が少なすぎるので、個人的には、あれはカメラではないと思っている。言うまでもなく、ニコンの最高級デジタル一眼レフカメラ、D850も画素数がZ7と全く同じなので、解像度もZ7と全く同じだが、重さがD850が915g、Z7が585gでは、勝負ありだ。そして、個人的には手ぶれ補正がZ7の最大の魅力だと思っている。
今回、E-M1Xと一緒に紹介したのは以上の7機種だが、実はもう1機種、紹介したいカメラがある。画素ずらしで連続撮影した8枚の画像を合成し、8000万画素相当のRAW画像と5000万画素相当のJPEG画像の2枚を生成する「ハイレゾショット」モードに設定したE-M1Xだ。このモードは他にも多くのカメラに搭載されているので、そう珍しくはないと思うが、Z7やD850を凌ぐ解像度があることが確かだということを知っていただくために、あえて紹介することにした。
ただ、ハイレゾショットは1枚の撮影に10数秒〜数10秒もかかるので、用途は限られだろう。ハイレゾショットは8000万画素相当のRAW画像でなく、5000万画素のJPEG画像でも、モノクロ解像度はZ7やD850相当。これは当然のことと納得できたが、カラー解像度を見てビックリした。Z7もD850も欠陥品に見えるくらい、E-M1Xの解像度が高くなるからだ。としたら、8000万画素相当のRAW画像の解像度は物凄いことになるはずと思ったが、残念というか、意外というか、Rawのハイレゾショットはモノクロ解像度もカラー解像度もJPEGのハイレゾショットと殆ど変わらなかった。レンズの解像度が追いつかないのかもしれないが、理由はよく分からない。
なお、RAWデータを開くには最新のPhotoshop環境が必要だというので、今回の解像度チェックのために、月額1058円の新規投資をさせられてしまったのが、いささか悔しい。
最後に、E-M1Xの解像度をチェックしての感想だが、ズバリ「マイクロフォーサーズに拘るのはベストの選択ではない」だ。少なくとも、解像度に関しては、どう頑張っても、もう勝ち目は無いと断言してもいいだろう。
【投稿日(posted date)】2019年2月27日(February 27 ,2019)
【投稿者(poster)】有限会社エイブイレポート社・avreport's diary・編集長:吉岡伸敏(nobchan@din.or.jp)・副編集長:吉岡眞里子(marico@din.or.jp)/ AV REPORT Co.,Ltd.・avreport's diary・Chief Editor:Nobutoshi Yoshioka・Assistant Editor-in-Chief:Mariko Yoshioka