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avreport’s diary

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 今年の5月21日に4800万画素のスマホをアマゾンで買いました。シャオミ(Xiaomi)の新製品Redmi Note 7(今年1月発売)です。日本国内の販売店では売っていない商品ですが、インドでは発売1カ月で100万台以上売れたそうです。26,777円でした。実はあと数日待つと、17,000円台で買えたので、ちょっと残念。焦りすぎました。焦ったのは、言うまでもなく、1日も早く、高画素スマホの画質を確かめたかったからです。

 勿論、常識的には、2万円台のスマホの画質なんて、いくら高画素になっても、20万円超とか、30万円超の本物のカメラに叶うわけがないと、馬鹿にされても仕方がないと思いますが、何と、常識は簡単に覆されてしまいました。

 スマホの画質レベルを知って頂くために、まず、代表的なスマホ、4機種のモノクロ解像度とカラー解像度を比較しながら、ご覧になって頂きます。

 その4機種とは、シャオミのRedmi Note 7(4800万画素)と、ファーウェイの新製品、P30(4000万画素)と昨年発売された、同じくファーウェイのP20 Pro(4000万画素)、そして私が以前から日常的に使っているアップルのiPhone XR(1200万画素)の4機種ですが、モノクロ解像度については、モノクロ解像度が最も高いP30と他の3機種との対決、また、カラー解像度については、同心円が最も綺麗に写るiPhone XRと他の3機種との対決という形でご覧になって頂きます。

 加えて、今回は、スマホ同士の比較だけでなく、スマホと最新フルサイズミラーレスの対決結果も見て頂きますが、モノクロ解像度については、4機種のスマホのなかで最もモノクロ解像度の高いP30と フルサイズミラーレス6機種との対決、そして、カラー解像度については、カラー解像度が最も高いiPhone XRとフルサイズミラーレス6機種の対決という形にして、ご覧になって頂きます。           

 因みに、 カラー解像度はP20 Proも、比較的、綺麗ですが、同心円がより綺麗に写るiPhone XRの方をスマホの代表選手に選ぶことにしました。

 以下に解像度チャートの写真をズラーッと並べましたが、一つ一つ、見ていくのは、かなり厄介なので、結論から先に言っちゃいましょう。

 モノクロ解像度でスマホのP30に勝てたフルサイズミラーレスは、ニコンZ7とLUMIX DC- S1Rの2機種だけです。そして、カラー解像度でiPhone XRに勝てたフルサイズミラーレスはゼロです。

 ただ、スマホにも弱点があります。高解像感はあっても、爽快感がないことが、まず一つです。要するに、画面が汚いということです。そして、画質が安定していないことも弱点です。つまり、いつ、どこで、誰がシャッターを切っても、同じクオリティの写真が撮れるかと言うと、まだ、そのレベルには達していないように思いました。

 ただ、私はアンドロイドのスマホを使ったことが、つい最近まで、一度もなかったので、誤操作が不安定さの原因になったのかもしれません。特に、ファーウェイのスマホは操作が難しくて、マスターするのに何日も要しましたが、おかげで、米国のトランプ大統領がなぜ、ファーウェイを叩き潰そうとするのか、ちょっと分かったような気がします。

 そう、ファーウェイはこのまま野放しにしておけば、どこまで、大きくなるか分からないほどの秘めた力を持っていると思ったということです。

 今は、多分、実力の半分も見せていないように思います。つまり、とてつもない大きな伸び代のある会社だと思ったということです。

 ファーウェイは華為技術有限公司と書きます。ファーウェイジャパンは華為技術日本株式会社と書きます。両方に技術がつくわけです。つまり、ファーウェイは技術ファーストの会社なんだと思います。逆に、顧客サービスとか、営業活動、販売店教育にはまだ殆ど力が入っていません。

 その証拠に肝心要のファーウェイの商品が店頭に並んでいません。例えば、池袋の駅前のスマホショップは勿論、LABI日本総本店のヤマダ電機にすら、ファーウェイのNMカード(外部メモリー)やカードリーダーが置いてありません。そして、ビックカメラ本店にも在庫がありません。かろうじて、ビックカメラのパソコン館で買うことができましたが、ここからがファーウェイの凄いところです。

 せっかく手に入れたNMカードなのに、全く機能しないので、まず驚きました。当然、翌日、また、パソコン館へ行きましたが、専門家であるはずの店員さんたちが何度試してみても、そして、新品と交換して試してみても、やはり、機能しません。結局、不良品だということで、返品、返金ということになりましたが、ファーウェイジャパンに問い合わせてみると、「もしかすると、NMカードでなく、スマホ本体の不良かもしれないので、銀座のカスタマーセンターまで出向いて、チェックしてもらってください」との指示がありました。それで、すぐに、P30とP20 Proの2台を持って出向きました。ところが、呆れたことに、このカスタマーセンターには、必須アイテムであるはずのNMカードもカードリーダーも置いてありません。従って、本体のチェックはできないというわけですが、耳を疑いました。しかし、申し訳けありませんの一言もなく、謝ろうとするそぶりも見せません。

 結局、九段下のファーウェイジャパンの本社まで出向いて、チェックをしてもらうことになりましたが、NMカードもスマホ本体もちゃんと正常に動きました。おまけに、外部メモリーを使わなくても、ケーブル1本でスマホからパソコンに画像を転送する方法もちゃんと教えてもらえました。

 私やビックカメラの店員さんたちが不良品だと思ったNMカードやカードリーダーは不良品なんかではなかったわけですが、じゃあ、ビックカメラのパソコン館の店員さんたちが、なぜ、不良品だと思ったかが問題です。

 要するに、販売店教育が徹底していなかったのだと思いますが、逆に、ファーウェイが本気になって、販売店教育やカスタマーセンターの充実に取り組み始めたら、市場を簡単に制覇してしまうのではないかと思いました。技術開発以外は何もしてこなかったファーウェイが、営業と顧客教育にも力を入れだしたら、どんなに素晴らしい会社になるか楽しみです。多分、そのときには、社名から技術の二文字が消えていると思います。

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    下の写真は高画素スマホの解像度チェックに使った解像度チャートです。

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モンクロ解像度チャート

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カラー解像度チャート

 まず、スマホ4機種のモノクロ解像度の比較です。

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 この写真のP30は40本まで解像していませんが、オリジナルの写真では40本を突き抜けています。また、一方のP20 ProはP30よりも、ほんの少し見劣りしますが、ほぼ互角の解像度があります。

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 iPhone XRは1200万画素しかないので、モノクロ解像度は30本くらいしかありません。ファーウェイの2機種より、かなり見劣りしますが、カラー解像度は最も優れています。

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  Redmi Note 7は4800万画素だというので、私も飛びついたわけですが、とても本当だとは思えません。この解像度の低さは誤操作によるものかもしれませんが、ちょっと酷すぎます。解像本数がわずか28本あるかないかです。安物買いの銭失い、という言葉を久し振りに思い出しました。

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 続いて、スマホ同士のカラー解像度対決です。

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 iPhone XRのカラー解像度はスマホだけでなく、フルサイズミラーレスのどの機種と比べても優れていますが、実はこの1枚は例外的によく写ったもので、通常はもっとぼんやりした写真になってしまいます。逆に、ファーウェイのP20 Proは大体コンスタントに比較的綺麗な写真が写ります。特に、ストライプはiPhoneよりも綺麗なので、同心円の歪みが惜しまれます。

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 P20 Proのカラー解像度はまずまずなのに、なぜ、同じファウェイのP30のカラー解像度が低いのか不思議です。操作ミスかもしれませんが、原因はよく分かりません。

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 この対決写真を入れるのを忘れていました。Redmi Note 7のカラー解像度があまりにもお粗末なので、入れ忘れたわけではありませんが、このスマホのモノクロ解像度も酷すぎます。でも、この酷さに気づく人は、多分、殆どいないと思います。それは、フルサイズミラーレスのお粗末さに気づく人が殆どいないのと同じでしょう。

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 続いて、ファーウェイのP30と最新フルサイズミラーレス6機種によるモノクロ解像度対決です。

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 ニコンZ7はフルサイズミラーレス6機種のなかで、モノクロ解像度の最も高いカメラですが、76,700円のP30とボディのみで324,570円のニコンZ7のモノクロ解像度がほぼ同じなので、P30はよく頑張ったと思います。念のため、P30は解像本数が38本から40本の辺りが霞んでいますが、オリジナルの写真はもっと綺麗です。

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 LUMIX DC-S1Rは今年のカメラグランプリ大賞カメラですが、モノクロ解像度はS1Rよりも低画素のニコンZ7より、やや劣ります。解像本数はZ7、S1Rともに40本を突き抜けていますが、S1Rの画面には抜けの美しさが足りません。一方、P30は素数が4000万画素と、Z7やS1Rよりも低画素ですが、モノクロ解像度はZ7やS1Rとほぼ互角です。凄いですね。

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 EOS Rはフルサイズミラーレスのなかで3番目に画素数の多いカメラですが、解像本数は2400万画素クラスのカメラと同じレベルの32〜33本しかありません。スマホのP30に完敗です。キヤノンのカメラは高級機でも解像度を高くしないのがポリシーのようですが、EOS 5DsとEOS 5DsRは例外的に40本を突き抜けます。

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 EOS RPの画素数はフルサイズミラーレス6機種のなかで4番目の多さですが、それでも2620万画素しかありませんので、解像本数はEOS Rと同様、32〜33本しかありません。やはり、スマホのP30に完敗です。

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 ニコンZ6も解像本数は32〜33本ですから、やはり、スマホのP30に完敗です。

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 LUMIX DC-S1の解像本数も32〜33本しかありません。従って、やはり、スマホのP30に完敗です。

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 最後のプログラムはスマホとフルサイズミラーレスとのカラー解像度対決です。スマホの代表選手は1200万画素のiPhone XRです。モノクロ解像度の対決では出番のなかった低画素機ですが、カラー解像度対決では、なぜか、輝いています。逆に、フルサイズミラーレスの不甲斐無さには、憤りさえ覚えます。カメラメーカーには、もう、優秀なエンジニアは残っていないのでしょうか。

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 解説は要りませんね。ご覧の通り、ストライプも同心円もiPhone XRの方がはっきり写っています。ですから、スマホの完勝。フルサイズミラーレスの完敗ですが、フルサイズミラーレス6機種のなかでは、EOS RとEOS RPはまだ良い方です。この2機種はDIGIC 8 という新型のイメージプロセッサーを搭載したせいだと思いますが、カラー解像度がだいぶ改善されました。

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 EOS RPのカラー解像度は上級機のEOS Rと殆ど変わりません。画素数が少なくなっても、カラー解像度は悪くならない、ということになるわけですが、それは1200万画素しかないiPhone XRが見事に証明しています。

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  ニコンZ7はストライプが写っているように見えますが、これはストライプではなく、格子じまです。つまり、ノイズが発生しているということで、カラー解像度が高いわけではありません。その証拠に同心円もちゃんと写っていません。つまり、ボディだけで30万円超もする高級カメラがスマホに負けてしまったわけです。

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 やはり、スマホの完勝、ニコンZ6の完敗です。

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 LUMIX DC-S1Rにはストライプや同心円が写る気配すら感じられません。これが今年のカメラグランプリ大賞だというのですから、開いた口が塞がりません。やはり、スマホの完勝、フルサイズミラーレスの完敗です。

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 パナソニックは、もっと真摯に開発に取り組むべきだと思います。やはり、スマホの完勝、フルサイズミラーレスの完敗です。

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 カメラ業界は非常事態宣言を出した方がいいかもしれませんね。

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 投稿が二度も消えてしまったので、二度も書き直しです。疲れたー。

【投稿日(posted date)】2019年6月23日(June 23,2019)  

【投稿者(poster)】有限会社エイブイレポート社・avreport's diary・編集長:吉岡伸敏(nobchan@din.or.jp)・副編集長:吉岡眞里子(marico@din.or.jp)/ AV REPORT Co.,Ltd.・avreport's diary・Chief Editor:Nobutoshi Yoshioka・Assistant Editor-in-Chief:Mariko Yoshioka